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機能訓練指導員という名のとおり、ご入居者の日常生活に必要な身体・運動機能の維持向上のための訓練を行うことが私の仕事。しかし『指導』と言うよりは『お手伝い』の気持ちで臨んでいます。訓練の99%は、ご本人の積極性で成り立っていると思うんですね。毎朝の集団体操にしても個別のトレーニングにしても、訓練の内容はもちろん重要ですが、ご本人のやる気がなければ始まりません。ですから私はまず、『頑張ってみようかな』と気持ちを引き出せるよう、ご入居者との信頼関係づくりを大事にしています。その人らしい前向きな気持ちで訓練を始める、そのキッカケ作りをお手伝いすることは『機能訓練指導員』の大切な役割だと思います。
身体・運動機能は加齢と共に下降線を辿るのが自然の摂理。諦めが強く、最初は訓練に積極的ではない方がほとんど。でも『出来なくなること』が増えると同時に『自分らしさ』も失ってしまう。私は、ご入居者の皆さんにいつまでも自分らしく笑っていてほしい。ご入居者と良い関係を保つこと、その方に合う安全で効率の良いメニューを考えること、遊びを入れて楽しく継続できるよう工夫を惜しまないことなど訓練にまつわる全ては『笑顔』のため。訓練中は、時に見えないゴールを目指しているような心持ちになりますから、お互いに本当に長い目で見ていないといけません。だからこそ、こつこつと時間をかけてご入居者と二人三脚で頑張った先に実った『笑顔』は最高なんです。振り返ってみて初めて分かる、じわじわと来る『喜び』ですね。
『明日はお休みなのね…』なんてがっかりされると、実は嬉しい(笑)。居ても居なくても変わらないようでは価値がないでしょう。良い仕事をして、ご入居者からも仲間からも必要とされる存在でありたい。仕事で200%の力を出すためにも、オン・オフの切り替えは大切だと思います。職員皆で明るく楽しく200%の仕事をしたいから、事務所内ではみんなの『オフ』を作ろうとよく冗談を言っていますね……やはり私は、笑顔を見るのが好きなんでしょうね。
(勤務先・役職等は取材当時のものです)