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早くにご主人を亡くしたS様は、アパート経営をしながら杉並区でのおひとり暮らしが30年以上続いていました。「自分では自覚が無いけれど、物忘れが多くなっていたので周囲の方が心配して、静岡の甥っ子に今後のことを相談してくれたんです。」その甥子様ご夫妻がインターネットで介護施設を探し、「ライフコミューン杉並松庵なら現在の住まいに近くて良い」と、ご入居を決められたそうです。
S様のお楽しみは、2ヶ月ごとに施設職員を順番に連れて東京・調布市にある神代植物公園で季節の花を愉しんだ後に、深大寺でお蕎麦を食べること。
そして、ご覧ください。施設の食堂に飾ってある千羽鶴なんと3,000羽!最初はS様が折り始め、そのうち職員達も加わっての大仕事に。
実は、折り紙を始めたきっかけは、「80歳の時、脳梗塞で左半身麻痺になりました。姪っ子がリハビリに折り紙が良い、とたくさん色紙を持って来てくれたんです。」
「この3,000羽は年明けに深大寺に納めて、来年また1,000羽折ります。今度は慌てずゆっくりとね。」
「S様のお元気の秘訣は、”また何かしたい!”という前向きな姿勢なのですね。
「ここは我が家です、息子も娘も孫もいっぱい・・・幸せです。」そう言って笑顔で涙を流されたS様。
そのお姿に担当職員も取材者も胸が熱くなり、みんなで笑い泣きに。
「入居する時は、一体どこに連れて行かれるのかと思いました(笑)」しかし今では、「姉弟も亡くなり身寄りは無いけれど、ここは本当に楽しいです。次々と病気になっても全て治りましたし、厄が全部落ちたみたいね(笑)だから、もう少し長生きしたくなりましたよ。」
S様のご入居時から担当している島田知子(介護主任)。 「S様はとても我慢強い方ですので、痛みなども限界まで我慢されてしまいます。ですから、体調面のちょっとした変化には特に気を付けるようにしています。まるで本当の親子のように思わせていただいています。S様にこれからも楽しく生きがいをもって日々過ごしていただけるよう、全力で支えます。」